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「顔認証やめろ」と声を上げた人たちが、こっそりリスト化されていた——MSG流出データの中身

2026.06.26 配信
「顔認証やめろ」と声を上げた人たちが、こっそりリスト化されていた——MSG流出データの中身
Image credit: 404 Media

NBAのニックス、NHLのレンジャーズ、ビッグなコンサート。ニューヨークの「マディソン・スクエア・ガーデン(MSG)」は、毎晩何万人もが集まるアメリカ最大級のエンターテインメント会場だ。

このMSGが数年前から導入しているのが顔認証システム。入場者の顔をカメラで自動スキャンして、「出入り禁止にしたい人物」を見つけ出す仕組みだ。当然、プライバシーの観点から「やめろ」と声を上げる人たちがいた。

で、MSGはどうしたか。声を上げた人たちをリストにまとめていた

ハッキングで「反対派リスト」が見つかった

2026年6月、ハッカーがMSGのシステムから45GBものデータを盗み出して公開した。

ニュースサイト404 Mediaがそのデータを調べたところ、「Facial Recognition Activists.docx」——つまり「顔認証に反対した活動家のファイル」という、そのものズバリの名前のドキュメントが見つかった。

中身は、MSGの顔認証を批判した人たちの情報。「いつ、どこで、何と言ったか」「SNSにどんな投稿をしたか」がまとめられていた。社内の複数の関係者がアクセスできる状態だった。

「文句を言った弁護士」を会場から締め出していた

実はMSGは以前から、顔認証を「気に入らない人の排除」に使っていたことで問題になっていた。

特にひどかったのが、MSGを相手に裁判を起こしている法律事務所の弁護士たちを、顔認証で見つけ出して入場拒否していた件だ。訴えてきた弁護士を会場に入れないようにする——報復としか言いようがない使い方である。

今回のリストは、その延長線上にある。会場に来た人を識別するだけでなく、外から「やめろ」と批判した人まで記録・把握していたということだ。

プライバシー団体EFFの弁護士アダム・シュワルツ氏も、このリストに名前が載っていた一人。「データ流出が起きた今こそ、MSGが来場者を顔認証で監視するのをやめるいい機会だ」とコメントしている。

「文句を言うとリストに載る」という怖さ

この話の核心は、「監視技術を批判したら、批判した側が監視される」という構造にある。

ライブやスポーツを見に行っただけで顔をスキャンされる。それに「おかしい」と声を上げたら、今度は別のリストに名前が載る。どっちに転んでも記録される。

しかも今回わかったのは、ハッキングがなければ誰も知らなかったという事実だ。45GBのデータが流出するという「事故」がなければ、このリストの存在は永遠に闇の中だった。MSGは今のところ何もコメントしていない。

好きなアーティストのライブを見に行く。ただそれだけのことで、顔をスキャンされ、文句を言えばリストに載る。そんな会場に、あなたは行きたいだろうか。

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