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「AIの副作用」を記録するメディア

ナンバープレートだけじゃない——街中のカメラが今、あなたのスマホもペットも追跡している

ナンバープレートだけじゃない——街中のカメラが今、あなたのスマホもペットも追跡している
Image credit: r/technology

全米各地に設置されているナンバープレート自動読取カメラ(ALPR)が、令状なしで市民の行動を日常的に記録・蓄積していることが改めて問題になっている。

しかも話はナンバープレートだけで終わらない。最新の技術では、スマホ、スマートウォッチ、ペットのマイクロチップ、子どものランドセルに入れたAirTagまで検知できるようになっている。車を降りた後のあなたまで、追いかけてくるのだ。

ナンバープレートの「ついで」に拾われるもの

従来のALPRは、通過する車のナンバープレートを撮影して、日時と位置情報を記録するだけのシステムだった。防犯や盗難車の追跡が主な用途とされてきた。

ところが、イタリアの防衛企業レオナルドが開発した「SignalTrace」という技術がこれを一変させた。ALPRのセンサーに相乗りする形で、周囲の電子機器が発する信号を片っ端からスキャンするのだ。

拾えるデータのリストがすさまじい。

  • iPhoneやAndroidの識別情報
  • スマートウォッチやスマートリングの信号
  • Bluetooth Low Energyビーコン
  • 車の5Gモデムやインフォテインメントシステム
  • タイヤ空気圧センサー(TPMS)の信号
  • Wi-Fiネットワーク名やMACアドレス
  • ペットのマイクロチップ
  • AirTagなどのトラッキングデバイス

レオナルド社は「公共の電波で発信されている信号を拾っているだけで、中身を解読したり保存したりはしていない」と説明している。だが、あなたのスマホ、時計、車、ペットの信号を一括で記録できるシステムが「無害」かどうかは、また別の話だ。

法律は完全に追いついていない

現行の法的枠組みでは、ALPRによるデータ収集に令状は不要とされるケースがほとんどだ。裁判所は一般的に、公道でナンバープレートを読み取る行為は「目に見えるものを観察しているだけ」であり、合衆国憲法修正第4条が禁じる「不合理な捜索」には該当しないと判断してきた。

しかし、SignalTraceのような技術が加わると話が変わる。ナンバープレートを撮影する「ついで」に、その人物のスマホやウェアラブルの信号まで吸い上げるのは、「目に見えるものの観察」の範囲をはるかに超えている。

弁護士のマット・ヒューウィッツは「法律は完全に遅れている」と指摘する。技術は月単位で進化するが、法律が追いつくには何年もかかる。その間に、収集されたデータは蓄積され続ける。

「防犯カメラ」が取り締まりカメラになった日

すでに目的外使用は始まっている。

2025年12月、ジョージア州でバイクに乗っていた男性が、携帯電話を左手に持っていたとして違反切符を切られた。切符にはこう書かれていた。「FLOCKカメラ、31号線マイルマーカー1で撮影。左手に電話を保持」

防犯のために設置されたはずのカメラが、交通違反の取り締まりに転用されている。電子フロンティア財団(EFF)はこれを「ミッション・クリープ(目的の際限ない拡大)」として警鐘を鳴らしている。

盗難車を見つけるために始まったシステムが、いつの間にか全市民の移動パターンを記録し、スマホの信号まで拾い、交通違反の取り締まりにまで使われるようになった。「防犯のため」という最初の目的は、もうとっくに通り過ぎている。次にこのデータが何に使われるかは、誰にもわからない。