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株価99%暴落のロボット警備会社が、AI生成のヒーロー小説を量産している

2026.06.26 配信
株価99%暴落のロボット警備会社が、AI生成のヒーロー小説を量産している
Image credit: Futurism

失敗を重ねた会社が、フィクションの中では英雄になっている。

これまでの「やらかし」を振り返る

ナイトスコープ(Knightscope)は2013年にカリフォルニアで創業した自律型ロボット警備会社だ。高さ1.5メートルほどの卵型ロボット「K5」を開発し、商業施設や公共スペースの巡回警備を請け負ってきた。

ところがこのK5、記録的な失敗を積み重ねてきた。

  • 噴水に落ちて溺れた
  • 幼い子どもを轢いた
  • 女性が緊急事態を報告しようとしたのに無視した
  • ニューヨーク市警(NYPD)は「常に人間の監視が必要」と分かり契約を打ち切り

2022年初にNASDAQへ上場したが、株価は最高値の1,070ドルから現在は約2ドルまで下落した。99%以上の暴落だ。

そこで始まったのが「小説」だった

そんな会社が今年始めたのが、「ザ・ナイトスコープ・クロニクルズ(The Knightscope Chronicles)」というコンテンツシリーズだ。

「センティネル・ショアーズ(Sentinel Shores)」という架空の郊外を舞台に、ナイトスコープのロボットが犯罪を見事に解決していく——という短編犯罪小説集である。「実際の出来事に着想を得ています」と会社は説明している。

読めばすぐわかる「AIが書いた文章」

問題は、その内容だ。

文章はぎこちない散文で書かれており、AIが生成した文体そのものだ。挿絵もAI生成で、画像内のテキストが意味不明にぼやける——AIイラストの典型的な欠陥が随所に見られる。

ある話では、犯人がガソリンスタンドの店員を「釘打ち銃(ネイルガン)」で攻撃するシーンがある。釘打ち銃は建設現場の道具で、実際の犯罪では滅多に使われない。現実離れした設定だ。

「これは実際の事件に基づいているのか?」という質問に、広報担当のクリス・ガルサは「プライバシー保護のために脚色している」と答えるのみで、元になった実際の事件の証拠は一切提示しなかった。

狙いは「怖さを演出してロボットを売ること」

このコンテンツの本当の目的は見えやすい。

治安への漠然とした不安を煽ること——「こんな事件が起きている。だからロボット警備が必要だ」という論理を植えつけるマーケティングだ。

実際のロボットが何度も失敗し、株価が99%以上暴落し、客も逃げていく中で、会社が選んだのは「自分たちのロボットが活躍するファンフィクション」を量産することだった。技術を磨くよりも、イメージを作る方が手っ取り早い——そういう判断なのかもしれない。

AI生成コンテンツが「ほぼただ同然」で作れる時代に、誰でもどんな「事実のように見えるもの」でも量産できる。それを利用して自社製品の必要性を演出しようとする企業が出てきた。ナイトスコープは、その最初の例の一つかもしれない。

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