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マッチポンプの極致:AIの脅威をばら撒くサム・アルトマンが「人間証明証」を売るビジネス

マッチポンプの極致:AIの脅威をばら撒くサム・アルトマンが「人間証明証」を売るビジネス
Image credit: Futurism

生成AIの普及で、インターネット上はフェイク画像やAIエージェントによる詐欺で溢れかえっている。

この「誰が本物の人間かわからない」というディストピアに対する救世主として登場したのが、銀色の球体デバイス「Orb(オーブ)」による虹彩スキャンだ。

しかし、この「人間であることの証明」を売るビジネスを率いているのは、他でもないAIの脅威を生み出している張本人だった。

解決策を売る会社がレイオフを開始

Sam Altman(サム・アルトマン)が共同創業した「Tools for Humanity(Worldcoin運営元)」が、ひっそりと従業員のレイオフを開始した。

彼らの主力製品は「Orb」と呼ばれる虹彩スキャナーだ。

網膜のデータを登録することで、「私はbotではなく本物の人間である」というデジタルの身分証(World ID)を発行し、ついでに暗号資産(仮想通貨)をもらえるという仕組みである。

AIディープフェイクや詐欺への完璧な対策として大々的に売り込まれたこのプロジェクトだが、現在、大きな壁にぶつかっている。

「自分の傲慢さへの解決策を売る」というビジネスモデル

Futurismの記事は、この状況を「selling a solution to its own founder’s hubris(創業者自身の傲慢さへの解決策を売る)」と冷酷に評している。

冷静に考えてみてほしい。

世界中に高度な生成AIをばら撒き、フェイクニュースやなりすましの脅威を指数関数的に増大させているのはOpenAIのCEOであるアルトマン氏だ。

そして、「AIのせいで誰が本物かわからなくなった世界」に対して、解決策(Orb)を提示しているのもアルトマン氏なのである。

AIの波で世界を荒らしておいて、その防空壕(あるいはパスポート)を販売する。

これほど見事なマッチポンプ(自ら火をつけて自分で消火器を売る商法)は、歴史上なかなかお目にかかれない。

締め出されるOrbと、波に乗れない皮肉

さらに皮肉なのは、彼らが自ら作り出した「AIエージェント急増の波」に、自分たちのビジネスが乗り切れていないことだ。

アジア、アフリカ、南米、そしてヨーロッパの複数政府は、生体情報(究極の個人情報)を民間企業が一手に収集することへの懸念から、次々とOrbの稼働を禁止・停止している。

その結果、Tools for Humanityは「Orb不足」を自白し、レイオフに踏み切らざるを得なくなった。

AIが世界を食い尽くすスピードに、物理的な銀色の球体を配って回るスピードが追いつかなかったのだ。

問題を自ら引き起こし、自らが用意した解決策で利益を得ようとしたものの、その解決策自体が世界中から警戒されて頓挫しつつある。

シリコンバレーの天才が描いた完璧な計画は、どうやら人間の「不信感」という最もアナログなバグを計算に入れていなかったようだ。