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DoorDashの配達ロボット、SWAT突入現場に乗り込んで居座る — 警察の制止を完全無視

DoorDashの配達ロボット、SWAT突入現場に乗り込んで居座る — 警察の制止を完全無視
Image: Futurism

2026年6月15日の夜、アリゾナ州チャンドラーで異様な光景が展開された。

武装事件の通報を受けたSWATチームが民家を包囲し、緊迫した突入作戦が進行していた。その真っ只中に、買い物カートほどの大きさの白いロボットがのこのこと現場に入ってきたのだ。

DoorDashの自律走行型配達ロボット「Dot」。誰かの夕食を届けるために、たまたまその道を通りかかった。

「止まれ」が通じない

警察官はロボットに向かって「引き返せ」と命じた。

だがDotは動かなかった。人間の声による指示に従う機能は搭載されていない。ロボットはただ、プログラムされた通りに「安全な場所で停止して待機」しただけだ。

その間、SWATチームは作戦を続行。民家の窓にフラッシュバン(閃光手榴弾)を投げ込んだ。爆音と閃光が夜の住宅街に響き渡る。やがて、住人の男が両手を頭の後ろに回して家から出てきた。

その一部始終を、Dotは黙って見ていた。

人間が来るまで帰れない

ロボットが現場を離れたのは、すべてが終わった後だった。DoorDashの従業員が現地に駆けつけ、ロボットを手動で操縦してボックストラックに積み込んだ。

つまり、人間がわざわざ来て物理的に回収しない限り、このロボットは延々とSWAT現場に居座り続けていたことになる。

DoorDash側のコメントは実に淡々としていた。「ロボットは設計通りに動作しました。当局が現場を管理している間、安全に停止して待機していました」。

設計通り。それが問題なのだ。

時速32キロで公道を走る「同僚」

Dotは競合他社の歩道走行型ロボットとは異なり、車道や自転車レーンを時速約32キロで走行する。つまり、一般の車やバイクと同じ道路空間を共有している。

緊急車両が急行してくる状況でも、パトカーのサイレンに反応して道を譲る保証はない。「設計通りに停止して待機」が、救急活動や消防活動の妨げになりうるということだ。

繰り返される「侵入」

今回が初めてのケースではない。

過去にもServe Robotics社の配達ロボットが逮捕現場や犯罪捜査の現場に入り込む事案が複数報告されている。自律走行ロボットは「ここから先は危険だ」「今は近づくな」という人間社会の暗黙のルールを理解しない。

目的地までの最短ルート。障害物の回避。停止と待機。それがロボットの全世界だ。

「仕様です」で済むのか

SWATが民家に突入する状況とは、すなわち人命がかかっている状況だ。銃撃戦になる可能性もある。犯人が人質を取っている場合もある。

そこに自律ロボットが入り込み、警察の指示を無視して居座る。今回はたまたま事なきを得たが、もしロボットが犯人の逃走経路を塞いでいたら? もし爆発物処理の現場だったら?

「設計通りに動作しました」という回答は、技術的には正しい。だが、社会的にはまったく答えになっていない。

自律ロボットが公道を走る時代、「想定外の状況にどう対処するか」ではなく「想定外の状況を想定していなかった」こと自体が、深刻な設計上の欠陥である。